第2章 乱夜。
『んっ…。』
する…っと指先が足を滑らせて
私の秘部へと下着越しに近づく
『ねぇ、怖い…?大丈夫だよ。
気持ちよくしてあげるから
俺、頑張るから…主の為にさ。』
下着越しから割れ目を
ぬるぬると擦らせる刺激に
思わず下唇を噛み締める。
(こんな事をしなくても…)
加州『主…。』
(貴方を見ると言うのに
なんで届かないのだろう。)
『んん……っ。』
口を開いては声が漏れて
貴方を拒絶する言葉が出そうだ。
そんな事あってはならないのに
『………ひゃ、ぅ。』
加州『…ここ?ここが好きなの?』
『ゃだ…そこやだ…。』
割れ目をなぞっていた指先が
クリである一点を強く擦る。
加州『もっと…?』
『ひぁぅ…ちがぁ…ぅ。』
(やだって、やだってば
痛みに似た刺激がいったいの…)
痛いのと気持ちいいのとが
合わさって最早訳が分からない。
強く押し退けることも出来ず
素直に受け入れる事さえ出来ず
中途半端がお互いを傷つける。
(そんな…の、わかってるのに。)
『んぁ…つらぁ…ぃ。』
加州『主…イキたいの…?』
『わか…わかんないぃ…。』
加州『いいよ、イって。
俺がずっとずっと見ててあげる。』
(望んでないんですけどっ)
感じている自分と
脳内での自分が白黒し過ぎて
二重人格だと疑いたくなった。
グリグリ…親指の腹で擦る力に
強弱を付けて誘うように刺激を
与え続けてきた。
本当に私がイかせるかの様に。
『んゃ…止めて…ゃ…もぅ…。』
呂律が回らないうまく言えない
何も考えられなくなってきた。
加州『うん…可愛いところ見せてよ。』
グリ…っとまるで押し潰すように
擦られて体の内から強い刺激が襲う。
全身に電気がはしったみたいに
息さえもままならなくて下半身に
ビクビクとした刺激がきた。
『…はぁ…はぁっ…。』
解かれた両手を拘束も気づかず
横たわり残る余韻を感じていた。
加州『主…?』
横を向いて視界を閉じるように
うずくまる私に不安そうな声が
届いた…でも、返事はできない。
これは…あれだ。
俗に言うアレに限る。
(自滅したい。)
ただ、その一言だった。