第6章 夜戦。
(どうして、刀解決定なの
それしか思いつかないの?)
私はぐるぐる大分落ち着いた
頭を回転させて上着を抱き寄せた
鯰尾『え、…なんで?』
『なんでって何ですか…。』
鯰尾『刀解、するんでしょ?』
『決定事項なんですか…?』
骨喰『それしか思いつかないからな』
ここの刀剣達は皆そうだ
とでも言うような表情に
私はため息を人知れずはいた。
そして重い腰に叱咤し
立ち上がろうとすると三日月様が
手助けしてくれた。
(紳士すぎてかっこいい…。)
弱った心に三日月様の
存在はとても強く頼りがいのある
立派な刀であり仲間である。
三日月様にお礼を言い
私は二人にそろりそろりと
近寄った。
私が近づくとビクッ…と
大きくその肩が飛び跳ねた。
骨喰『………やめろ、』
手を伸ばせば骨喰様が
鯰尾様の前に立ち庇う姿勢に
なれば私は微笑んだ。
『私のことは信じなくていいです。』
人間なんて醜いものだから
信じてほしいこそが欲深い。
『だからその分、それ以上に
家族を…仲間を…信じてください。』
そう言って頭に手を伸ばして
そっと撫でれば骨喰様は口を開く。
骨喰『あんたは…変なヤツだな。』
(そんな真顔で…。)
思わず撫でていた手が止まった。
鯰尾様はわけも分からず
と言った顔でキョロキョロし
そっと骨喰様の影から覗いた。
覗かれた視線に答え
片方の手で鯰尾様の頭を撫でれば
後ろから三日月様が上着を私に、
かけ直してくれた。
不思議な光景だなぁ…なんて
他人事に思いながら頭を撫でられ
反応に困っている二人に微笑んだ。
『私は皆さんが恨む審神者と
同じ審神者ではないけれど、
醜い人間である事に違いは
ありませんから少しずつ私を
知っていってほしいです。』
私の言葉に撫でられていた
お二人の瞳に涙がたまる。
鯰尾『………ここにいる全員の
刀剣達の手入れしてくれますか。』
(ハードルたっかっ。)
肩を落としたお二人に
目を細めて微笑み後ろに控えて
いてくれた三日月様を見つめ、
お互いに頷き前を見据えた。
『必ず、成し遂げてみせますよ。』
たとえこの身が汚れようと
心は常に皆様の為に。
だって一人じゃ…ないから
きっと、何でもできる
そんな気がするんです。