第26章 波乱。
御手杵『なぁ、大丈夫…か?』
正直言うとあまり良くない
けれど、あまりにも悲しそうな
表情で見つめられて困る…。
ずる…と抜かれた彼のモノ
蓋が空いてどぷ…と溢れる愛液
『ん…ぅ、』
御手杵『今、これ外すからっ』
手首を縛るものをいとも簡単に
解いてしまいあの葛藤はどこへ
と戸惑ってしまった。
御手杵『な、なぁ…話せるか?』
無言の私に御手杵様は
襲いかかった勢いはどこへ
置いてきたのというほどに
優しくなっていた。
『大丈夫…じゃ、ない…です。』
御手杵『あぁ…だろうな…
ほんっっっとうにすまなかった。』
私の上で謝る彼の頭を撫でる。
思いのほか柔らかい髪質に微笑む
大きなわんこのようで
喜ばせたら尻尾を振ってくれそうだ
『…貴方は?』
御手杵『へ?』
『体に不調はありませんか…』
気怠い体は手を動かすだけで
万全には動いてくれない。
唯一彼を撫でている手を
頬へと這わせて撫でてゆく
温かな温度にホッと胸をなで下ろす
御手杵『あ、あぁ…俺は全く…』
拍子抜けしたような
御手杵様にいくらか霊力を
送っておいた。
前審神者の霊力が影響して
彼が暴走したのなら
仲間に襲う前に私の霊力で…
『……っ、』
御手杵『お、おいやめろ、な?』
疲れきった霊力を流すのは
私の体には限界だったようだ…
『すみません…力不足で…』
御手杵『いや、そんな事は無い
第一に俺はあんたおかげで
生きているんだからな…っ』
『前審神者が何らかの形で
貴方に興奮剤となる霊力を
流したのだと…思います。』
けれど、なぜ…どうやって…
御手杵『あぁ…あの時か、』
御手杵様は私に布団を掛けて
体を隠してもらいながら呟く
『あの時、?』
御手杵『話し合いが終わってから
話に行ったんだよ…。、
あっ、会ってはいないぜ?』
御手杵様はしどろもどろに
気まずそうに視線をさ迷わせた
『御手杵様…なぜ、ですか?』
頼りない私に幻滅…かな。
御手杵『教えて…欲しかったんだ。
俺はあんたの刀になれるかって…』
『私、の?』
こく…と頷いた彼は頭を掻いた。
御手杵『過去も未来もない俺に
あんたの刀は務まるか…って。』