第22章 仏道。
絶頂を感じた体が未だに
びくびくと余韻に溺れながら
数珠丸様を離しはしない。
『はぅ…、ぁ…やだ…ぁ。』
離れようとする数珠丸様に
泣きついて抱きつく力を強めた。
『行っちゃ…やだ…ぁ、』
数珠丸『………はぁ、』
離れようとしていた手を
背中にあててぽんぽんとたたく
数珠丸『敵いませんね…まったく…』
諦めきったその言葉に
微笑んで擦り寄れば赤子を
眠らせるように揺らし始めた。
数珠丸『………あなたは、
面白いことを言いますね。
私を慰める言葉かと思えば
本当にある気もしてきます』
ぐちゅ…と卑猥な音を立てる
秘部に震えるも"へへ…"と微笑む。
『数珠丸様…っ、』
数珠丸『見つけ…られるでしょうか』
すり…と数珠丸様は私を抱き締める
この手はもう離れることは無い。
『見つけ…ましょう…っ』
数珠丸『………っ。』
『見つけだしてやりますよ。』
もはやヤケクソの私の言葉に
吹き出すように笑う数珠丸様。
数珠丸『私には無い…ものを
あなたは心に持っていますね。』
数珠丸様はもういいと
呟いたけれどきっとあれは
本心ではないと思いたい。
彼は諦めていないのだ
己の信じていた道を…。
『数珠丸様…。』
"もう、いいんですか…?"と
問いかけるとこく…と頷いた。
数珠丸『えぇ…それ以上のものを
得ることが出来ましたから…。』
ぎゅ…と抱きつく彼の温もり
それだけが彼の全てを語る。
『…へへ…数珠丸様ぁ、』
温かいのは好き…それ以上に
数珠丸『可愛いですね…あなたは、』
彼の笑顔が何よりも愛おしい。
私も見つけましたよ
何よりも素敵な貴方の笑顔を…。
『離れないで…数珠丸様…、』
一人で迷い込まないで…
数珠丸『離せそうにもありません。』
"あなたと共にずっと…。"
そう囁く彼の声が心地いい。
間違っているかもしれない
愛の形は誰にも責められやしない
神も仏もここには居ない。
あるのは見えない心のみ。
『………ん、』
数珠丸『何よりも…
あなたが愛おしい。』
甘い口付けとろける感覚…。
数珠丸『……っ、ん。』
交わす口付けは心を繋ぎ
次第に心を恋に焦がしてゆく。
人はこれを" 愛 "と呼ぶだろう。