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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第4章 始動。


『…っ、』


体のだるさと気分の悪さに
ゆっくりと意識を覚醒した。


三日月『目が覚めたか?』


『ひっ!?』


三日月『俺はお化けか何かか?』


驚いた瞬間、掛けられていた
布を頭まですっぽりと覆った。


三日月『呪ったりせんから
顔を見せてはくれないか?』


『…ぅ、はい…。』


そろりと覗けば昨日の殺気など
嘘のような優しい笑みだった。


気分はどうとか体調はどうとか
痛いところはないかとか聞かれ
最悪なのだが大丈夫だと伝えた。


(今は…安定様の事が気になる。)


気絶している間に服を着せられ
寝床を片付けられた様子を見ると
冷静さを取り戻してくれた筈、


なぜここに、三日月様がいるのか
そこもかなり気になる所だけど…


『………あの、』


三日月『ん?なんだ?』


起き上がりながら問いかけると
そっと背中に手を添えて支えながら
起き上がらせてくれた。


軽くお辞儀をしながら
安定様は何処なのかと問いかける。


三日月『あぁ…俺に聞くよりも
直接赴いた方が早いだろう。

連れていってやるぞ?
おんぶが良いならそうするが?』


(いや、待ってなんで)


おんぶがいいです、なんて
審神者がどこにいる歩きますよ
違和感あるだけで歩けるから…


やんわりと断ると三日月様に
支えられながら立ち上がった。


両足をついた時、足首に見える
縛られた痕が痛々しく残っていた。


手首もこれと同等だろう。


歩き出そうとすればよろけ
その度に三日月様に寄りかかる。


三日月『大丈夫か?』


『………だいじょばないです。』


痺れたようにガタガタと震える
自分の足にがっくりと項垂れ、


三日月様がそうかそうかと
頷いて嬉しそうに微笑んだ。


(おんぶコースですね、はい。)


私に背中を向けてしゃがみ
両手を後ろに広げて待っている。


三日月『じじい、と言っても
体力はある方だからな…おいで。』


………おいでの声が良すぎる。
三日月様に流れる空気に絆され、
渋々とその背中に乗せてもらう。


『お願いします…。』


三日月『うむ、任せておけ。』


背中の温もりにすり寄りながら
安定様の元へと歩みを進めた。





今なら私と
向き合ってくれるでしょうか…。





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