第19章 戦争。
『………ふぁ…くっしょんっ』
小烏丸『クッ…ふふ…。』
別にクッションが欲しい訳じゃない
朝の目覚めの一発のくしゃみ
裸同士で眠ったんだもん。
でも小烏丸様にはツボのようで
小烏丸『ハッハッハッ!』
見たことのない大笑いを
間近で見る事になりました。
『小烏丸様…。』
笑いやしすぎませんか?
小烏丸『ククッ。
いやぁ…いいくしゃみだ。』
くしゃみに良いも悪いも
ないと思うのだが…どうも。
すり…と擦り寄れば小烏丸様は
布団をかけ直し頭を撫でた。
小烏丸『体は平気か…?』
『お陰様で全身だるいです…。』
小烏丸『そうかそうか…
それは結構、可愛かったからのう
仕方あるまい加減は無理だからな』
せめて少しの努力をして欲しい
嫌味さえも受け止める
小烏丸様にフッ…と微笑んで
温もりを求めるように近寄る。
バァァァンッ!
大きく音を立てて開け放たれた
襖から現れたのは蛍丸様。
蛍丸『ズルい…!!!』
何がですか!?
蛍丸『俺も一緒に主と寝る!!』
小烏丸『あぁ良いぞ、おいで?』
いや裸なんですけど…っていやぁっ!
布団めくらないで小烏丸様見える!!
蛍丸『わぁぁぁい!』
私の事は無視!の如く蛍丸様は
私と小烏丸様の間に入ってくる。
『ちょ…えっ…あのっ』
蛍丸『寒いでしょ?
俺があっためてあげる。』
それはありがたいのですが
裸を抱き締められて羞恥心で
死んでしまいたくなるのです
小烏丸『皆は子も同然。
父が包んでやらねばな…?』
それは状況を選ぶかと…
ぎゅ…と腰を抱き締める
蛍丸様の手は温かくて
布団越しから抱き締める
小烏丸様の包容力に加えて
恥ずかしさでパニックの
私が並べば寒くはない…。
『………もう、』
離れられないじゃないですか…
蛍丸『へへ…あーるじっ』
『なんですか…湯たんぽ丸様。』
蛍丸『だぁいすき…っ。』
胸へと擦り寄る蛍丸様の頭を
撫でながら紅くなる私の頬。
小烏丸『照れた顔もまた可愛いのう…』
呟く小烏丸様をジト目で見つめれば
小烏丸『許せ…、な?』
こてん…と小首を傾げた小烏丸様。
そんな可愛い彼に私は
一生かけても適わない…。