第18章 混乱。
小烏丸『ふむ…ぐっすり
眠っておるな…我が子らは…。』
『そうですね…。』
楽しんだあとの短刀達は
お風呂に入ったりしながらも
興奮がおさまらず話し続けて
やっと今眠りについている。
何を買ったかは明日までの
秘密ですと言われてわからないが
なにか準備があるらしい。
買ったもの祭りで明日は
また一段と盛り上がる1日になる
そんな予感がした。
一期一振様も落ち着いた
弟達にホッとして一緒に
深い眠りについている。
小烏丸様と見回りをすれば
寝顔の皆さんに嬉しそうだ。
長谷部も喜んでくれたなら
良いのに感動し過ぎて失神した。
人の失神を目の前で見た
私の方が失神しそうだバカッ
さて、と…気持ちを
落ち着かせて小烏丸様に
向き直り声をかけると、
小烏丸『さて、主よ。
少し話をしても良いか?』
予想外のお誘いを受けた。
『お話、ですか?
構いませんが…今から?』
夜も遅いが小烏丸様の目に
強い灯しみが宿っていた。
何を私は言われるの…?
小烏丸『うぬ、』
小烏丸様は私を見下ろし
美しい手を私の頬へ触れた。
少し冷たい手にビクつくも
自分からそっと擦り寄り
『では、部屋へ…』
すり…と撫でてくれた。
小烏丸『あぁ…さて参ろうか。』
頬から肩へと手を置いて
先を促すように押される。
まるで連行のような光景に
少しの不安を覚えた。
『小烏丸…様…。』
小烏丸『なに、怯えるな。
酷い事しようとは思っとらん。』
肩を撫でる手は優しい
けれど、先の見えない事が
何よりも怖くて覚えた体は
少しの恐怖に震えている。
小烏丸『震えた子も…また愛しいのう』
ぎゅ…と抱き締める彼に
なすがまま寄りかかった。
どくん…どくん…と
高鳴る鼓動は私だけ?
小烏丸様は感情の見えない
表情で私を部屋へと連れてゆく。
震える体を抑えようと
小烏丸様の服へ掴みかかる。
小烏丸『可愛がってやろうか…』
それはどういう意味ですか…
彼に聞く勇気は今の私にはない。