第6章 幸せな我儘 〜一夜限りの恋人よ〜 / 豊臣秀吉
ぐちゅ、ぐちゅん、にちゅっにちゅっぐちゅ!
あまりにも卑猥な粘着質な水音。
秀吉が動けば動くほど、それは部屋中に響き渡り、舞の喘ぎ声と混ざって、耳に届いた。
「ひ、でよし、さん…っ、駄目ぇ!」
「なんで」
「わ、私、おかしくなっちゃう……ああっ!」
舞は必死の抵抗を続ける。
やめてやる余裕なんて、もう無いけれど。
「狂っちまえ、俺はお前に狂ってる」
「そう、したら私、何するか、解らない……っ」
「そんな事は、どうでもいい」
舞の背中に腕を回し入れ、起き上がらせる。
必死にしがみつく舞に、秀吉は出来るだけ優しく告げた。
「どんな姿のお前でも…愛してるよ」
顔を見ると、涙がぼろぼろと頬を伝っていた。
腕を離すと倒れてしまいそうなので、唇を這わせて涙を舐めとる。
「秀吉さん、好き…っ、大好き」
「知ってるよ、だから泣くな」
「無理っ」
「じゃあ、もっと別の意味で啼け」
ーーー ずんっっ!
秀吉は、思いっきり下から突き上げた。
「あああっ」
「そう、俺はそっちの啼き声のほうがいい」
ずちゅ!ずちゅ!ぐちゅん、ぐちゅん!
下から何度も何度も突き上げる。
その度に背中に爪を立てられるが、そんなのは気にしない。
突き上げる度に舞の中は、ぎゅうぎゅうと締まり、秀吉を絶頂へと誘う。
二人の荒い吐息だけが部屋を支配し……
その息をお互い奪うように、何度も何度も何度も、深い口付けを交わした。
「秀吉、さん、ひ、でよし、さん……っ」
抱きつく腕に、更に力がこもる。
舞も果てる寸前らしい。
秀吉は最後の高みへ向けて、夢中で腰を動かした。
ぐぢゅん、ぐぢゅん、んぐちゅぅ!!!
「あああっ…………っ」
瞬間、舞の背中が反り返り、最高潮に中を締め上げた。
その締め付けに耐えられず、秀吉もまた。
「は、ぁあ……っ」
一回天を仰ぐと、ごぷり……と舞の中に、自分の全てを吐き出したのだった。