第41章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 全武将共通ルート
今日は七夕。
どうやら七夕祭りが市で行われるらしい。
短冊に願い事を書いて、織姫と彦星に願う。
舞は一体短冊に何を書くのか。
願い事は、なんなのか。
そして、舞が織姫ならば、
彦星は、一体誰なのか―……
「んーっと……これは、一体……」
安土城広間に呼び出された舞はその異様な光景に思わず絶句した。
ただの軍議かと思いきや、そうではない。
皆睨み合いながら向かい合って座り、何やら言い合っている。
「舞は俺と祭りに行く」
「いや、俺だ。俺のためにこの浴衣を着るんだ」
「言い合いは無駄ですよ、舞は俺と行くんですから」
「貴様ら俺を差し置いて勝手を言うな、斬るぞ」
何やら話の趣旨が見えないが、ちらほら自分の名前が出ているのが気になる。
それに。
武将はそれぞれ、手に何やら着物を抱えていて、それを見せ合いながら、ぎゃーすかぎゃーすか……
一体なんの騒ぎだと言うのだろう。
「舞様、お茶でも飲みますか?」
三成が騒ぎから一人外れて、後ろの方に腰掛けた舞に、茶を差し出してくる。
それを『ありがとう』と受け取り、三成を見て首を傾げた。
「なんの騒ぎなの、これ。私、軍議に呼ばれたんじゃなかったっけ……?」
「ほら、今日は七夕でしょう。市で七夕祭りがあるらしく、誰が行くかで揉めてるんです」
「ん?みんな行ったらいいんじゃない?」
「違いますよ、誰が『舞様と』行くかで揉めてるんです」
「……へ?」
まったり二人で会話をしていると、それに気がついた政宗がズカズカと歩いてきて……
ぐいっと三成から引き離すように肩を抱いた。
「こら、三成!どさくさに紛れて、俺の舞に触ってんじゃねぇ!」
すると、政宗だけではなく、秀吉、家康、光秀、信長までもがこちらに気がつき……
わらわらと広間の下座にやってきては、なんだかすったもんだが始まってしまった。