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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第38章 一触即発禁止令 / 明智光秀





「おーい、舞」



その時、向こうから秀吉が向かってきているのが解った。
秀吉は笑顔で舞に近づき、頭をぽんと撫でる。



「悪かったな、急に掃除押し付けて」
「大丈夫だよ、もう終わるから」
「よしよし、じゃあ飯でも奢ってやる」



(なんだ、この甘い空気は)



秀吉が舞をベタッ可愛がりしているのは知っている。
過保護な兄と妹。
それは、前から見ていた。
しかし―……



(舞、何故秀吉には触らせる?)



恋仲である自分には触れさせず、何故他の男は大丈夫なのか。
普通は、逆だろう?
光秀は無性に腹が立ち……

後ろから、舞の腕を引いた。



「光秀さん?」
「……ちょっと来い」
「え……っいたたたっ」



痛がる舞の腕を引き、無理やり歩き出す。
文句なんて聞いていられない、逆に文句を言いたいのはこっちだ。



『壁は二人で乗り越えろ』



政宗の助言が頭の中で響く、しかし。
そんな余裕は、何処にも無かった。

そんな二人の様子を、ぽかんと見ていた秀吉は。



「随分、光秀機嫌悪かったな。喧嘩でもしたか?」



怒りの原因は自分と言う事に気付かず、一人頭をひねっていた。










―――…………









「光秀さん、痛い……っ!」



誰もいない部屋に舞を連れてくると、襖をぴしゃりと閉め、そのまま舞を壁へと追い込んだ。

そして頭の上で、がっちりと手を固定する。
舞は壁に押さえつけられ、目を見開き光秀を見た。



「光秀、さん……」



しかし、光秀の瞳を見て、文句など言えなくなった。
明らかに熱を帯びた瞳、それを我慢しているような。



「光秀さ……んんっ」



再度名前を呼ぼうとしたら、急に唇を塞がれた。
性急に舌が唇の中にねじ込まれ、全てを奪うように貪る。



「んっんんん…っんぁ…っ」



唇の角度が変わるたびに、熱い息が漏れてしまう。
しかし、それすらも許さないように、光秀の唇が乱暴に重なってきて。

その貪る水音が、いやらしく部屋に響いた。



「んっんふぅ…っ!」
「舞…っ」
「光、秀、さ……っぁっ」



急に胸元に刺激を覚え、息が詰まった。






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