第37章 無防備な蜜、無自覚な蝶 / 石田三成
三成の言葉に、舞は思わずぷっと吹き出してしまった。
「……何が可笑しいんですか」
「なんか三成君らしいなぁと思って」
「あーでも……しまった……」
三成はこつんと舞に額を重ね、少し苦々しく言った。
「秀吉様に怒られちゃうな……」
「どうして?」
「舞様に変な気起こすなと、釘を刺されたばかりなんですよ……」
「えええ、なにそれ」
「舞様の身体を奪ったと知れば、烈火の如く叱られますね」
「……身体だけじゃないよ、心もだよ」
舞は目元を優しく緩める。
その、なんとも幸せそうな表情に、三成はなんだか堪らなくなって……
ちゅっと唇を奪うと、悪戯っぽく言った。
「じゃあ……とことん叱られましょうか」
「え?」
「折角ですから、もう一度貴女を味わう事にします……逃げませんよね?」
「……っ」
「ほら……目を逸らさないで」
「三成く……ぁっ」
再度、舞の熱に酔いしれる。
そのまま朝まで、離さない。
三成は初めて知った『愛』と言う名の気持ちを、そのまま舞の心に、身体に、刻むべく。
またその柔らかな肌に、手を這わせたのだった。
終
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