第33章 厳禁!溺れた君に快楽を / 伊達政宗
『約束破ってみろ。 酒を死ぬほど飲ませるぞ』
瞬間、秀吉との約束が、音を立てて崩れ落ちた。
(……っもう、我慢出来ねぇ……っ!)
「政宗……? わぁっ」
政宗は舞の腕を引き、二間に分かれている部屋の奥へと、舞を連れて来た。
そして、急いで仕切りの障子を閉める。
部屋が二分割され、行燈の灯っている向こう側とは違い、こっちは窓から注ぐ満月の月明かりだけだ。
薄暗い、しかし。
政宗にとっては、これで充分だった。
「政宗……」
舞が切なく名前を呼ぶ。
そんな声すら、政宗を煽った。
政宗は軽い身のこなしで、舞を畳へと押し倒す。
そして、耳元でそっと囁いた。
「……声、我慢しろよ」
「え……っあっ」
政宗は舞の細い首筋に吸い付いた。
一瞬声を出した舞の口に、指を二本入れて、その声を封じる。
「しーっ」
急いで舞を静止すると。
その甘い匂いに誘われるように、音を立ててついばんでいく。
「んっふぅ……っ」
「お前に手を出したら負けだって解ってる、でも……もう我慢出来ねぇ」
「むぅ……っんんっ」
「声を我慢出来ないなら……唇は塞いでやるから安心しろ」
そう言って、口から指を引き抜き、舞の唇を己の唇で塞いだ。
舌を絡め、舞の思考を完璧に蕩かす。
抵抗する手を頭の上でまとめ上げ、片手で固定すると、空いてる片手で胸をまさぐった。
薄い布地から伝わる、舞の柔肌。
その感触に、堪らず『ぶらうす』とやらを脱がそうと試みる。
しかし。
「どうやって脱がすんだ、これ……」
思わず唇を離し、小さな声で呟くと、舞も小さな声で政宗に言った。
「ボタンを外すの」
「ぼたんって、この金具か?」
「丸い部分を開いてる穴に通すんだよ」
手を解放してやると、舞は手で器用にその『ぼたん』を外した。
一回見て、なんとなく要領を掴むと、政宗は次々にそれらを外していく。
「ボタン、外した事無いんだよね?」
「無い」
「なんでそんなに上手いの……」
「俺は器用なんだ」
「そこ器用だと、困る」
何やら悪態をつく舞を尻目に、全て外すと一気に上を剥ぎ取った。