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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第33章 厳禁!溺れた君に快楽を / 伊達政宗




「政宗に謝らなきゃいけない事あるの」


二人並んで馬を走らせていると、舞がしょんぼりしたように言った。


「この前の約束、もうちょっと待ってね」
「ああ……タイムスリップしてきた時の格好を見せるってやつか」
「確認したら、ちょっと破れてて……すぐに縫うから」
「まぁ、焦るな。 楽しみが伸びたと思えば」
「政宗……」
「待った分、見れた時はもっと嬉しいだろ?」


そう言うと、舞は少しはにかんで笑った。
その、なんとも言えない愛らしさ。


(くそっ可愛い……生殺しじゃねぇか、これじゃ)


今すぐ抱きしめて口付けたい。
そう思っても叶わない、だって。


「〜〜〜〜!」


(秀吉……すげぇ睨んでるよ、こっち見て)


政宗は密かに心の中で泣いた。
この、舞に手を出せない悲しさ。

そんな政宗の様子を見て……
舞は少し俯き、考えていた。





















陽も沈み、煌々と月が照らす頃。
一行は泊まる宿へと到着した。

部屋に通されたは良いものの……
その部屋割に、政宗はまた心の中で涙を流した。

この宿、一部屋が二間に分かれており、障子で仕切ってしまえば部屋が完全に二分割されるのだが……

それを利用して、一部屋に二人ずつ振り分けられていた。

信長と家康。
光秀と三成。
舞は一人で使う事になっていて。

そして、政宗と秀吉と言う部屋割。



(心に般若が見えるぜ……秀吉の奴)



政宗は部屋に着いて浴衣にも着替えたものの、風呂に入ろうとかそんな気も起きず。

露天風呂があると、意気揚々に行ってしまった秀吉とは裏腹、独り窓辺に腰かけ月を見ていた。

満点に輝く星と、満月。
舞と一緒に露天風呂で見れたら、どんなに嬉しいか……



(俺には、ちっとも慰安にならないぞ、これ)



そんな事を思いながら、もう何度目か解らない、ため息をついた時だった。

部屋の入り口の襖が、ぽすっぽすっと叩かれた音がした。


「……誰だ?」
「私」


(舞……?)


声の主にびっくりして、政宗は急いで襖を開ける。

当然居たのは舞なのだが……
その予想を反した姿に、政宗は思わず息を呑んだ。



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