第30章 純恋花〜君に狂った花になる〜 / 豊臣秀吉
(しまった、すごい可愛い……っ!)
「舞、こっちへ来い」
「あ、はいっ!」
そのまま、ぱたぱたと走って信長の所へ行ってしまった舞の後ろ姿を見ながら……
三人は三人して同じ事を思ったらしく。
ガンッと睨み合いながら、胸ぐらを掴み合った。
「舞は俺のだ、可愛いとか思ってんじゃねぇ!」
「それくらい、いいだろ! 思考は自由だっ」
「秀吉さん、悩み相談のお礼、舞の口付け一回で許してあげます」
「馬鹿言ってんじゃねぇ、お断りだっ!」
「別にそのくらい、いいじゃないですか」
「駄目だったら、駄目だっ」
「俺は負けねぇ、絶対舞を落とす」
「はぁ?!」
「俺は好きだと思った物は、全力で手に入れる主義なんだよ」
「こ、この、肉食獣が……っ」
「秀吉、首を洗って待ってろよ!」
「望むところだ、コラァ!」
秀吉の受難の日々は、まだまだ続きそうです……
終