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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第3章 愛しい爪先に口付けを / 伊達政宗



舞は、意識があるのか、無いのか。
空に視線を泳がせたままだ。

ただ、本能的に求めているのか。
名を呼べば呼び返し、身体を寄せればしがみついてきた。



「舞」
「政宗」


まともな会話はお互いを呼び合う名前だけ。

今宵何度…いや、何百回目したか解らない口付けを交わす。

政宗は一度舞を起こし、うつ伏せに寝かしつけた。


真っ白な背中。
まだ舞は、こんなにも綺麗だ。


その神聖なものを犯すように。
政宗は後ろから舞を貫いた。


「ふわぁ……っ」


舞が濡れた声を上げる。

中が急に締まって、政宗は息が詰まった。



「あ、く…っ、出る、なっ……」



あまりの快楽に、反論の声も虚しく。
びゅるるっと政宗の身体を突き抜けて、舞の中へとそれは放たれた。




政宗は、舞の背中に倒れ込む。

二人の息遣いだけが部屋中に響き、耳が五月蝿い。
これだけ絶頂へ登り詰めても尚、舞を求め、舞の身体を貪る自分に。




「カッコ悪ィ……」



口からするりと出た、渇いた言葉。
薬に踊らされ、契るこの行為に、何の意味があるのか。
虚しさだけが、募って……

いつの間にか、政宗の頬には涙が伝っていた。





その時。






「政宗……」



舞の声がした。
今までの熱に侵された口調とは違い、しっかりとした芯のある声。


その声に、政宗が顔を上げると……
うつ伏せに寝かされた舞が、顔を横にし、視線だけをこちらに向けていた。






「舞……?」

その瞳には、光が宿っていた。
優しくて脆く……でも力強い。
自分が心底惚れ込んだ瞳だ。


舞は数回唇を動かすと、嘘のようにはっきりした声で言葉を紡いだ。



「政宗、大好き。 愛してるから……」











「もっと、私を、抱いて」







(………………っ)




それは確かに政宗の心に届いた。
純粋な、汚れない舞の言葉。
それだけが政宗にとって、たった一つの真実で、身体以上に求めていた答えだった。










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