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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第27章 不機嫌と暁の予知夢 / 織田信長





「大名からの文は私が目を通しておきましょう。それに、少し遅れる分には、私共でなんとか致します」
「秀吉、貴様……」
「御館様の時間を空けるくらい、訳無い事です。 光秀も三成も承知でしょう」



思わず絶句する。
そして、信長は少し俯いて、くくっ笑った。
まさか猿なんぞに気を使わせる日が来るとは。


信長は立ち上がり、羽織りをひるがえした。
そして可能な限りの敬を込めて、秀吉に言った。



「すまん、秀吉。 恩に着る」



そう言って天主に急ぐ信長を、秀吉は温かい目で見守っていた。




















早る気持ちを抑え、天主に急ぐと。

すでに暗くなった室内に、一つだけ行灯が灯り。
その前に、舞が寂しげに、ちょこんと座っている姿が見えた。



(――… 舞)



その姿を見るだけで、自分の顔がほころぶのが解った。

信長は足音を立てないように、そっと近づき……
舞の真後ろまでくると、しゃがみこんで耳元で囁いた。



「……舞」
「え……わっ」



そのまま後ろから抱き寄せると、舞の身体が、びくりと跳ねた。

身体中に感じる、温かな体温。
それから舞の、甘い……甘い香り。
それらが、心の隙間を埋めていく。



「信、長、様……?」



舞が首だけ後ろに向いて、驚いた声を上げた。
見ると、その腕に黒い夜着をしっかりと抱いている。

信長はくすっと笑い、舞に問いかけた。



「俺の夜着など抱き締めて、どうした」
「え…っ、こ、これは別に、温もりを感じようとか、匂いを確かめようとか、した訳じゃなく…っ」
「成程、俺の温もりや匂いを感じたかったのか」
「えっと、その……っ」
「……違うのか?」



耳たぶを甘噛みしながら囁かれ、舞の腰がびくびくと震える。

後ろからでも解る、首筋まで真っ赤にさせて……

信長は愛しくなって、その細く白いうなじに唇を寄せた。



「あ……っ」
「久しぶりに会っても、やはり愛しいな…舞。 貴様に触れたくて……堪らなかった」



信長はそう言うと、そのまま力をかけて、舞の身体をゆっくり押し倒した。


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