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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第25章 色欲の野獣 / 豊臣秀吉





(なんだ、これ。 どーゆー事だ……)



褥も敷かずに舞を抱いてしまったのか。
そもそも、昨日家康の御殿に行って、途中から記憶がない。

どうやって帰って来たのかも……





『秀吉さんが飲んだのは、媚薬です』





記憶の片隅に、そんな言葉を思い出す。
そこから、必死に記憶を引っ張り出した。

家康の御殿で酔っ払って、酔い醒ましを飲んでから……

身体が熱く疼いて、ひたすらに舞を求めていたのは覚えてる。

舞が欲しくて欲しくて……

まさか、そんな男の欲望のままに、めちゃくちゃに舞を抱いてしまったのではないか。



「媚薬って……舞…………っ」



そこまで考えて、秀吉は真っ青になった。
媚薬って、自分の知っている物で正しいとしたら。
それを飲んだって事は……


秀吉は急いで布団を敷くと、そこに舞を寝かしつけた。

そして、身なりを整え始める。
記憶がないところを、家康や政宗に確かめに行かなくては……


と、その時。
襖が、外から叩かれる音がした。



「おーい、秀吉。 生きてるかー?」



政宗の声だ。
秀吉は血相を変えて、急いで襖を開けた。

そこには政宗だけでなく、家康と三成も居て……

いきなり襖が開いた事に、びっくりしているようだった。



「秀吉、顔真っ青だぞ。 精根尽き果てたか?」
「政宗、お前何か知ってるんだな?」
「は? …………おわっ!」
「吐け! 俺は一体どうした、何でこんな状態になった?!」
「わー! 秀吉様、落ち着いてください!」
「今順を追って説明しますから…秀吉さん、政宗さんが死んじゃいます!」



家康と三成に引っぺがされ、秀吉は政宗の首を鷲掴みにしている手を離した。

舞を部屋に残し、廊下で話を聞く。


酔い醒ましと間違えて、媚薬を飲んだ事。
その後、すぐさま三人で秀吉を御殿に運び……それからは舞に全て任せた事。

それしか解決策が無かった事。


秀吉は全て聞くと……額を押さえて、その場にしゃがみこんだ。



「覚えてないのか?」
「全く……家康の御殿から記憶が途切れてる」
「じゃあ、昨日の夜どうなったかは……」
「舞様しか、解らないんですね?」


三成の言葉に、四人は息を詰める。

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