第16章 ゆりかご揺れる夜には / 豊臣秀吉
「あー ……、それは、だな」
(なんて説明しよう……)
舞から見たら、寝込みを襲ったように見えるかもしれない。
かと言って、説明するには、家康の話からさかのぼるしかなく……
考えていると、舞が指に髪を絡ませてきた。
「なんだ……?」
「うん、なんか幸せだから……答えなくていいよ」
そう言って微笑む舞はとても美しく。
秀吉は思わず見惚れる。
「でもね、秀吉さん」
「なんだ?」
「私のお腹に今、当たってるモノだけは理由を聞かせて」
(……あ)
そう言われて、はたっと気がつく。
自分の男根が、わりかし元気な状態で勃っている事に。
さっき、自分でシゴいて大きくさせてしまった。
苦肉の策だったとは言え……
後始末まで考えていなかった。
「……舞」
「ん?」
「具合が良くなってきたとこ、悪いんだが」
「うん」
「お前を抱きたい、今すぐ」
空が霞がかり、もうすぐ朝日が登る。
秀吉の長い長い夜が、やっと明けた。
終
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