第13章 敏感少女~俺を感じて~ / 豊臣秀吉
舞の目が見開かれる。
秀吉はちょっとバツの悪そうに笑った。
「順番逆だけどな、本当は。でも……お前が俺に相談してくれたのは、嬉しかったよ」
すると、舞は身体を起こして、しばらく俯いていたが……
やがて顔を真っ赤にして、消え入るような声で言った。
「私も、秀吉さんのこと、愛してるよ……」
(え?)
今度はこっちが面食らう番だ。
秀吉は、舞の肩に手を置いた。
「だって、お前、好きな人がいるって……」
「ずっと言えなかったの……だって秀吉さんは、私を妹としてしか見ていないと思っていたから」
「お前こそ、俺を兄貴としてしか、見てなかったじゃないか」
舞は首を横に振る。
「本当はずっと好きだったの。 私、秀吉さんのために、早く感じるようになりたくて、悩んでて……まさか秀吉さんが何とかしてやるなんて、言ってくれると思わなかったから……つい甘えて」
そう言って押し黙る。
まさか自分のために、不感症に悩んでいたとは。
(俺達、想いあってたんだな)
つい笑いが込み上げる。
くすくすと笑っていると、舞が肩当たりをぽかぽか叩いた。
「なんで、笑うの……っ」
「なーんでもない、嬉しいだけだよ」
額と額を、コツンと合わせる。
「これからも俺が、嫌ってほど感じさせてやるから、覚悟しろ? むしろ、俺以外には感じるな」
「う、解った……」
「その顔も駄目だ、舞はすぐ男を煽る顔をするからな」
「し、してないよ」
「現に俺が煽られてるから」
「え?」
秀吉が、軽い仕草で舞を押し倒す。
まだまだ甘い夜は、これからだ。
終