第13章 敏感少女~俺を感じて~ / 豊臣秀吉
「秀吉さんは、好きな人とかに触られると、どうなる?」
(は?)
いきなりの質問に面食らう。
でも、やたら真剣なので、茶化すわけにはいかないだろう。
「まぁ、嬉しいよな。 ドキドキするし」
「そう……だよね」
舞は眉の間にシワを寄せる。
何をそんなに悩んでいるのか、それは想像を遥かに越えるものだった。
「私、変なの」
「なにが」
「その……好きな人に触られても、ちっとも気持ち良くないし……大事な所を触られても、ぬ、濡れてこないし」
そこまで聞いて、思わず茶飲みを落としそうになった。
それは、つまり。
「感じないって事か?」
「うん……私ね、感じないの……」
思わず、額に手を当てる。
(おいおーい、俺の立場は……)
ハッキリ言って、泣きたくなってくる。
まさか惚れた女にこんな相談されるなんて……
ちっとも男として見られてないんだろうか。
(でも、舞は真剣に悩んでるんだよな)
そりゃ、好きな奴に触ってもらったら、気持ち良くなりたいのが人の性だ。
それがならないって言うのは……
それは真剣に悩むだろう。
「舞、好きな奴いるのか?」
真っ赤になってうつむく舞は、こくっと頷いた。
失恋決定。 さよなら、俺の恋。
(だったら兄貴らしく、きちんと向き合ってやろう)
秀吉は心に決めると、舞の頭を撫でた。
「解った。 俺が一緒に治してやる」
「え?」
「感じるようになりたいんだろ?」
舞はそこで、初めて笑顔を見せた。
こんな笑顔見せられたら、協力するしかない。
(でも、こればっかりは実践あるのみだしな……)
「舞、今日俺の御殿に泊まっていけ」
「え、なんで?」
「感じるようになるまで、根気よく付き合ってやるから」
こうして、舞を御殿に連れて帰った。
熱くて甘い、刺激的な一夜の始まり。