騎士のkissは雪より優しく【うたの☆プリンスさまっ♪ 】
第2章 恋桜
「真斗もう来てるかな…?」
待ち合わせ時間の10分前…約束の場所へと着き、キョロキョロとあたりを見渡していると、
「奏!」
真斗が軽く手を振ってこちらに来てくれた。
「行こう。」
「うん!」
真斗はわたしの手を握って歩き出した。
わたし達が向かったのは、大きな遊園地。
中はそれなりに混んでいて親子連れやカップルで賑わっていた。
「人がいっぱいだね!」
「あぁ。逸れないようにしっかりと握るのだぞ。」
そう言って真斗は手を握る力を少しだけ強めた。
「ふふっ!これならきっと大丈夫だね!」
わたしも少しだけ力を強めた。
「真斗、何乗る?」
「奏は何か乗りたいものはあるか?」
乗りたいものはいっぱいあったけれど、
「メリーゴーランド!」
その中でも一番好きなものにした。
「お前らしいな…。」
真斗は嬉しそうに笑う。
メリーゴーランドは他のアトラクションよりは比較的空いており、すぐに乗れた。
わたしの隣の馬に真斗が乗っていて、その姿はまるで本物の王子様みたいでドキドキした。
「やっぱりメリーゴーランドって可愛くて好き!
次は…真斗は何乗りたい?」
「あれは一体なんだ…?」
真斗がポカーンとした顔で見つめるのは、この遊園地で一番の名物とも言われる超高速で更にとても長く、またとても高い位置から落ちるという色々と凄いジェットコースターだ。
「ここの遊園地といえば、このジェットコースターなの!」
「そう…なのか…?
では、折角来たのだから乗ってみるか…。」
と言いつつも、真斗の手は少し震えていた。