騎士のkissは雪より優しく【うたの☆プリンスさまっ♪ 】
第3章 Knocking on the mind
「よいしょっと…」
家に着き、2人で並んでソファーに腰掛けた。
「なんか落ち着くなぁー。」
「俺も、お前とこうしている時間が好きだ。」
ふと目が合い、恥ずかしくてすぐに逸らしてしまう。
「あ…えと…最近、真斗は仕事どう?」
「あぁ、この前舞台の出演が決まってな。
見に来てくれるか?」
真斗はさり気なくわたしの肩に腕を回して言った。
「う、うん!絶対行くね!」
ガタン!!
「…っ!?」
物音に驚き、わたしは咄嗟に真斗にしがみついた。
「大丈夫だ…。風でドアが動いたのだろう。」
「やっぱり怖い…。」
真斗は子供を寝かしつけるみたいに、わたしの背中をぽん、ぽんと軽く叩いて落ち着かせてくれた。
「次からは、暗くなったら迎えに行く。
怖い思いをさせてしまって済まない…。」
わたしは真斗の胸元に顔を埋めたまま「大丈夫」と首を横に振った。
「奏…。顔を見せてはくれないか…?」
ゆっくりと顔を上げると、唇が軽く触れ合った。
「どんな事があろうともお前には俺が居る。
だから、笑顔を見せてはくれないか…。」
真斗はわたしの頬に手を添えて優しい瞳で見つめた。
「真斗…。」
見つめられて少し恥ずかしいけれど、わたしは精一杯の笑顔を見せた。
「そう、その太陽の様な笑顔だ。」
真斗もフッと笑った。
「奏…。愛している。」
そしてそのまま、お互いに惹かれ合うようなキスをした。
その時にはもうすっかり、恐怖心は消えていた。