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sing sing sing!!!《短編集》

第11章 おそ松さん《2:松野おそ松》





AM6:30



ピピピピピピピピ




布団から手を伸ばしアラームを止めると
もう一度布団の中へと潜り込む




「起きてるー?朝だよー」



パタパタパタとスリッパの音と共に
寝室の扉が開く


私が寝ているベットの脇を通り過ぎると
カーテンを開き、目を閉じていても
瞼越しに明るい日差しが目にしみる



『ん〜』


日差しを遮る様に布団に潜れば
こらこらこら!と布団を剥ぎ取られる


赤色のパーカーを着た彼は、
私の前髪をそっと分けると
軽いリップ音と共におでこに柔らかい
キスを落とす



「おはよう、」



『っ!』


びっくりして目を開けると
エプロンをつけたおそ松が
いつもの笑みを浮かべながら
鼻の下を擦っている。



『もう、おそ松くんなよーやだー』


ぐっと伸びをしながら
身体を起こしベットから足を下ろす


「やだとか止めて、お兄ちゃん傷ついちゃう」



『月曜日なんだもん』


はあ、と小さく溜息をつくと
『おはよう』
遅い挨拶をしてリビングへと向かう。


寝室の扉を開ければ
コーヒーの香りが広がる


『朝の匂い〜』


顔を洗って、ダイニングテーブルへと腰掛ければ
絶妙なタイミングで
焼きたてのトーストと、プレートが置かれる



「どーぞ」



おそ松はにこにことそう言うと
ソファへと座り朝のアナウンサーが
可愛いだの何だのくつろぎ始める。



『いただきます』


白いプレートには、塩胡椒のふったウインナーと
フリルレタス、
いつも少し味の薄いスクランブルエッグが
乗っている。
スプーンで掬って口に運べば
朝のお腹にはちょうど良く、ぺろっと
食べきってしまう。



『ごちそうさまでした』




「お粗末様です」



流しへと食器を運び
着替えをする為に自室へと向かう。


始めたばかりは、
いくら昔から知る幼馴染とは言え
1人暮らしのまだ寝ている家に年頃の男の子が
来るのはどうかと思ったが
さすが、童貞。と言うべきか
口ではセクハラ紛いなものも多々あるが
実際に行動に移す勇気は無いのか
今朝のおでこへのキスの様に
初々しく可愛いものだけで済んでいる。




スーツに着替えながら、がたんごとんとなり始める
洗濯機の音に笑みがこぼれる




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