第9章 ONE PIECE《トラファルガー・ロー》
波の音だけが聞こえる
甲板の上で、自分にもたれかかる
白く柔らかな背中を撫でる
そっと、ブラウンの柔らかな髪を
横へと流せば
細い首筋が現れ
透き通るように白く滑らかで健康的な背中
が露わになる
吸い付くような肌にそっと手を乗せ
首の付け根から背中にかけてある
ハートのタトゥーをそっと撫でる
彼女がこの船に乗る時の海賊になる決意の印
自分の所有物だという印
自分のソレと似たハートを見つめると
優越感で、身体が熱を持つ
白い肌にはえる控えめなそのタトゥーを
なぞりながら、愛しいそのハートの持ち主の
名前を呟く
先程まで、縋るように自分の名を呼ぶを
思い出し小さな笑みがこぼれると
小さな寝息を立てるを抱きかかえ
船内へと戻っていった。
甲板には彼女の寝息と同じような
穏やかな波の音だけが残った。