第2章 皆でわちゃわちゃお正月(2017.正月)
月島くんとの電話が終わって、1時間程した頃。
これまた、木兎さんが持ってきたらしい正月アイテムを出してきた。
かるた、である。
私が反射神経で、この人達に勝てる訳がないので読み手をやる事にした。
そして、酔っ払い達のかるた合戦が始まる…。
「木兎!それ取ったのは俺だ!」
「いや!俺だ!」
こんな、単純なゲームでも盛り上がれる2人と、朝からアルコールが入りっぱなしで半分寝ている赤葦さん。
最終的には、元気だった2人も動きすぎで完全に酔いが回ったようで、お手つきを連続するグダグダっぷりで終了となった。
色々としている内に、時刻は夕方を過ぎて。
夜までお節の余り物は嫌だから、スーパーに買い物に行く事にした。
最近は、元日からやっているスーパーも多くて、正月らしさってあんまり無いな、と思いながら買い物を済ませる。
そんなに手間の掛かる物は作りたくないから、鍋にした。
私が帰る頃には、少し寝て復活していた3人。
リビングの片付けはお願いして、キッチンに入った。
鍋の準備が出来て、リビングのテーブルにガスコンロと共にセットする。
やっぱり、空いている1席が気になってしまうけど、仕方がない事だ。
元日から、全員揃って、なんて夢のような話は、現実世界じゃ無理なんだ。
皆が席に着いたのを見計らって、乾杯しようとグラスを取った時…。
「あれ?今、玄関開かなかったか?」
「音、しましたよね?りら、鍵は閉めた?」
「閉めた…筈です。確認して来ます。」
「おいおい!この状況で女が行くな!泥棒とかだったら、どうすんだよ?」
1つの音で皆が反応して、それの確認の為に全員が立ち上がる。
でも、見に行く必要は無かった。
リビングに、来訪者が入って来たから。
もう、ここまで来ると夢だとしか思えない。
自分の頬を摘まんでみる。
痛くて、目の前で起こっている出来事が、現実だと知った。