第6章 シェリー ──黒の気配
──コナンside
「じゃあみんな!まずはこの人達を紹介するね」
そう言うと瀬里奈は部室にいた5人の部員を紹介した。
「左から順に相沢華南、斉藤樹、長谷川真白、植松武人、雨宮瑠璃。この2人は私より先輩なんだ」
瀬里奈は植松武人と雨宮瑠璃を指さしてそう言った。
「華南と樹、真白君は私と同じ学年、同じ学部なんだ」
「へぇ、今度はこの子達?楽しそう〜」
「ちょっと華南ちゃん?不謹慎よ」
華南と呼ばれた女性がそう言って、瑠璃に咎められた。
「だってまさか瀬里が連れてくるとは思わなくて」
「あ、それは同意するわ。瀬里ちゃんいつもダルそうなんだものね」
「失礼ね華南。瑠璃先輩も結構ひどいですよね」
そう言いながらも瀬里奈は楽しそうに話している。
「でね、小五郎さんやコナン君を連れてきたのはもう一つ理由があって……」
瀬里奈が取り出したのは小さなカードだ。
「キッドがうちの展示品のどれかを盗みに来るって予告してきたの……」
「あれ、でもキッドって宝石専門じゃなかったっけ?」
オレは怪訝に思ってそう言った。瀬里奈も頷いた。
「そうだけど……なんか怖くてね。だから来てもらったのよ、名探偵の毛利小五郎さんやキッドキラー君にね」
「ほうほう。そんなことならこの名探偵毛利小五郎にお任せあれ!」
おっちゃんが調子に乗って瀬里奈の手をしっかと握りしめた。
「いや、それにしても見れば見るほど有希子ちゃんによく似てる!」
「は、はぁ……?」
「美しい瀬里奈ちゃんと華南ちゃん、瑠璃ちゃんのためならこの毛利小五郎、一肌も二肌も脱いでやるよ!」
「あ、ありがとうございます……」
瀬里奈は困惑したような顔をして、蘭はおっちゃんをジロリと睨んでいた。