第6章 シェリー ──黒の気配
「でも知ってたんでしょ、実際」
「そりゃまぁ、そうだけどよー……」
コナン君がふてたように言った。と、哀ちゃんがパソコンにフロッピーディスクを入れて、データを立ち上げた。
「それ?組織を丸裸にできるかもっていうデータって」
「ええ。……ッ!?」
「?」
哀ちゃんの驚きように私はきょとんとしたが、すぐにその理由が分かった。
画面がどんどんと黒く侵食されていったのだ。
「何これ!?」
「コンピュータウイルス……“闇の男爵(ナイトバロン)” !!」
あっという間にデータは全て消えてしまった。
「組織のコンピュータで開かなきゃ、ウイルスが発動する仕掛けだったのね」
「うっそ……」
これで黒ずくめの奴らの情報は全て消え、また1からやり直しとなった。
「あーあ……。まぁしょうがないわね。これから長い付き合いになりそうだから、よろしくね哀ちゃん」
哀ちゃんにそう言ってみると、哀ちゃんはむすっとした顔でそっぽを向いてしまった。