第27章 ギスギスしたお茶会
事件は無事解決し、毛利家の3人と安室さん、高木刑事、そして私の6人で病院を出た。
「……あ、携帯の電源入れなきゃ」
電源を入れた途端に電話がかかって来た。
「えっ!?も、もしもし……?」
『もしもしじゃないわよ!あんた今どこにいるの!?』
「え、た、珠希さん!?」
相手はマネージャーの珠希さんだ。
「ご、ごめんなさい!ちょっと事件に巻き込まれて……今杯戸中央病院に……」
『病院?とにかく、今からそっち向かうから……化粧はしてる?』
「え、化粧?バイト帰りにここに来たからファンデくらい……」
『すぐ化粧して!飛び込みだけどバラエティの収録が入ったのよ!』
「今私服だけど!?」
『いいわよ私服で!とにかく化粧だけはしときなさい!』
そう言って珠希さんは電話を切った。
「……もォ」
「どうしました?」
安室さんに訊かれ、私は珠希さんに言われたことをそのまま話した。
「そうですか……。1人で平気ですか?」
「もちろん。じゃあ、またポアロで」
そう言って私は病院に引き返した。
「バイバイ瀬里奈姉ちゃん!」コナン君が手を振ってくれる。
「バイバイコナン君!またねー」
私も手を振り返し、化粧室へ直行した。ファンデーションを塗り直し、アイラインにアイシャドウ、マスカラにチーク、リップグロスetc. ……
フルメイクをして駐車場へ向かう。すでにマネージャーの車は停まっており、私は車に乗り込んで収録スタジオに向かう間、マネージャーが持って来てくれていたカモミールティーを飲み、飛び込みで緊張する心を落ち着かせようと必死なのだった……。