第27章 ギスギスしたお茶会
「じゃあ、他の2人が飲んでいたお茶の種類も分かります?」
安室さんが尋ねる。
高坂さん曰く、八方さんが茶色い『ペパーミントティー』、別府さんが黄色い『カモミールティー』らしい。
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「ええ……。私が飲んでいたのはペパーミント……」
2人目の八方時枝さん。
「緑色のお茶かと思ったら普通に茶色で拍子抜けしましたわ……。ホラ、『ペパーミントグリーン』っていうし……」
そう話す八方さんに、小五郎さんはハハンと笑った。
「でも赤と茶色は似てるっちゃー似てるから……すり替えるならあなたが一番……」
「全然似てませんわよ!」
八方さんはそう噛み付く。私もそれに賛同した。
「そうですね……ペパーミントティーはよく見かける普通の茶色だし……ハイビスカスティーは毒々しい赤って感じだから……。見間違えようがないと思いますけど……」
私がそう言うと、安室さんが「その飲んだ紅茶は皆さんがそれぞれ選んだんですか?」と尋ねた。
「ええ……。テーブルに並べて好きなのを……。飲み終わったらカップをティッシュで拭いて次のお茶って感じで……」
ただし、高坂さんは八方さん達が来る前からずっと青いお茶を飲んでいたそうだ。『体にいいけど苦くてお勧めできない』と言っていたとか。
「ちなみに4人の席の配置は?」
目暮警部が訊いた。
八方さんは思い出すように顎に手を添えながら言った。
「時計回りに私、伶菜、華月、樹理の順じゃなかったかしら……。伶菜が見ていた携帯の写真を、彼女の両脇から私と華月が覗き込んで見てたから……」
その写真を見ようと言い出したのは別府さん。前に高坂さんに見せてもらったらしく、『お見舞いに行った時にみんなで見せてもらお』と話していたというが──
「……なのに伶菜が携帯を離さなくって……おかげで私と華月が覗き見る羽目に……」
八方さんは我慢出来なくなったかのようにマシンガンのように言い始めた。
「あの子って昔からそう……。独占欲が強くて自己中で無頓着……。彼女の今の旦那も私の元カレ!略奪婚よ略奪婚!
……だからって別に殺したいと思ってませんけど……」
それに、恨んでいるのなら私より華月の方が上じゃない?八方さんはそう言った。何でも別府さんは須東さんのせいで大損したらしいから。