第25章 果実が詰まった宝石箱
──第三者side
「パフェパフェ!絶対トロピカルストロベリーパフェ!」
「いや、今日はイチゴのゴージャスシフォンケーキな気分なんだから!」
蘭と園子が毛利探偵事務所のテレビの前でそう騒いでいた。
テレビの中でMCを努めているのは俳優の剣崎修と歌手の瀬里奈だ。
《それでは発表します……。今宵の苺バトル!勝ったのは……》
瀬里奈がゆっくりと溜める。
蘭と園子もごくり、と生唾を飲み込んだ。
《トロピカルストロベリーパフェを作った栗村習平パティシエです!》
《素晴らしい、見事チャンピオン防衛です!》
剣崎もそう言う。
それを見た園子が頭を抱えた。
「あちゃー、今日はチャンピオン負けると思ったのに……」
「すごいよね!これで6週連続チャンピオンだよ!」
蘭が言う。TVの中では瀬里奈と剣崎が、
《ではまた来週……》
《『どちらのスイーツでSHOW』でお会いしましょう!》
と言い、番組は終わった。
「おい不良娘!帰んなくていいのか?もうすぐ8時だぞ!」
小五郎が時計を見ながら言う。
「下見よ下見!来週、この番組のギャラリーで蘭と一緒に参加するんだから!」
「あん?誰に誘われたんだよ?」
「瀬里奈お姉さんよ!この番組のMCやってるから、よかったらって……」
蘭も会話に加わる。
「おじ様も来る?」
園子がニヤニヤしながら小五郎に訊く。
「誰がそんな甘ったるいなまけた食い物の番組に……」
「あら残念……。ゲスト審査員で沖野ヨーコちゃんも来るらしいんだけどなー……」
「行かせて頂きます園子お嬢様!」←
園子がさらりと小五郎の好きなアイドルの名前を出した途端小五郎は手の平を返した。
園子の前に跪き、手の甲にキスを落とす。
「それじゃあ当日はおじ様のレンタカーでエスコートしてくれるかしら?」
「仰せのままに……」
まさに言いなり。そんな小五郎に園子はしたり顔だ。
「でもあと1人どーしよ……。5人招待されてるんだよね〜……」
園子は再び頭を抱えた。蘭の母親である妃英理は仕事で来られない。そこでコナンが「じゃあさー……」と代案を出した。