第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン
横溝警部の部下達が報告に来る。
車の中に乗せられたゴミの中には鍵らしきものは入っておらず、スポーツドリンクはカチカチに凍っていたため、中に鍵が入るとは思えないらしい。
また、遺体の下に敷かれていたラケットのガットが数ヶ所歪んでおり、花瓶の中には水が入っていたらしい。
そういえば……あの時、ドアの隙間から冷気が漏れ出てた……。だから私、てっきりクーラーが効いてるんだと思ってたけど……
「ん?」
私は今までの状況を頭の中で整理した。
花瓶に入った水……歪んだラケットのガット……扉の隙間からの冷気……
「……そうか」
形の残らない “アレ” を使えば……あの人にも犯行は可能……!
私はニヤ、と不敵に笑った。それを見られているとは夢にも思わずに──
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
キッチンに皆さんを集め、小五郎さんが椅子に座った。
コナン君はチャンスと思ったのか、時計型麻酔銃を小五郎さんの首筋に構えたが──
「ん?」
安室さんがそれを覗き込んでいる。げ、と思い、私は慌てて安室さんを引き離した。
「……新一、推理ショーは出来そう?」
「こんなんで出来るわけねーだろバーロー……。こうなったら……瀬里奈、頼めるか?」
「は?やーよ私……そんな面倒臭いこと……」
そう言って私はコナン君に丸投げした。
コナン君は私のテニスウェアのスカートをくいくいと引っ張り、私に声をかけた。
「ねえねえ瀬里奈姉ちゃん……」
「ん?」
「冷やし中華って言えばさー……氷使うよね?」
「え、そりゃまぁ……ってまさか!」
私はつい今思いついたかのようにみんなに向かって話した。
「氷って溶けますよね?」
「そりゃそうだろうよ……」
小五郎さんに呆れた目線を向けられ、私はあははっと軽く笑った。
「もし、あの花瓶の中の片側だけに氷を大量に積み上げておいて、落ちないギリギリの位置で棚に置いておけば……時間が経って氷が溶ければ、バランスが崩れて勝手に落ちるんじゃないですか?」