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白い雪【名探偵コナン】

第18章 3人の容疑者──bourbon


「あ、私は工藤瀬里奈。あなたは?」
「オレ?オレは黒羽快斗!」
「快斗?いい名前じゃん。歳いくつ?」
「7歳だよ、小1!」
「あら、うちの弟と一緒だ。私小4だもん」
「えっ、オレより上なのかよ!?」
「どう見えてたの私……」

そんなバカみたいに当たり前の会話をしている内に意気投合してしまい、私と快斗はまるで生まれた頃からの友達のようになっていた。

そして、そんな風に仲良くしている内に10年の月日が流れた。

私は大学、快斗は高校と、あまり時間が合わなくなっていった。
だがそんなある日──

カタンッ。

私が部屋でレポートを作っていると、ベランダの方から音がした。
怪訝に思いながら私はベランダの窓を開ける。外は雨が降っている。何かが窓に当たったとしたら、窓が割れてしまうかもしれない。

だがそこには──

「怪盗……キッド?」

私は思わず呟いてしまった。
キッドは私を見て、少しだけ驚いたような顔をしたが、すぐにいつものポーカーフェイスに戻る。

「こんばんは、美しいお嬢さん。大変申し訳ないのですが、ボクはこの通り怪我をしてしまいましてね……手当てをして頂けますか?」
「怪我……?」

そう言いながら彼を見ると、キッドの白いスーツの袖が赤く染まっていた。

「どうやら鉄線で切ってしまったようで……」
「ちょ、ちょっと待ってて!」

私は慌てて部屋に駆け戻り、救急セットを持ち出した。
そしてキッドの上着を脱がせ、シャツも片腕だけ脱がせる。

「うわ、すごい切り傷……とりあえず消毒して包帯巻くから、明日病院に行くように」

私はそう言いながらまず腕の水気を拭いた。そして消毒液をぶっかけて、ガーゼをかぶせる。そして綺麗に包帯を巻いて完成だ。

「はいっ、出来た。体とかもびしょ濡れだから、拭いたら?」
「いや、ボクはハンググライダーなので……」
「もう雨も止んでるし、そのまま飛んだら風邪引くよ?はい、いいからタオルで顔を拭く!」

私はそう言ってキッドのハットとモノクルを外した。
雲の隙間から月が出る。その淡い光に照らされて、キッドの顔が見える。

「……快斗?」

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