第13章 ブラックインパクト
急いで探偵事務所へ急ぐ。
「見えた!毛利探偵事務所よ!」
ジョディさんが叫んだ。コナン君がキック力増強シューズのスイッチを入れる。
「車の屋根を!早く!」
ジン達は探偵事務所の向かいにあるビルの屋上にいた。カウントダウンの声が小さく聞こえる。
10、9、8、7、6、5、4……。
3、2、1……
ビシ!
彼らの狙撃よりも早く、コナン君が窓ガラスめがけてボールを蹴った。小五郎さんが怒って窓を開ける。
「コラァ!どこのどいつだ!」
「ごめんねー、ちょっと強く蹴り過ぎちゃって……」
コナン君が可愛らしく言う。小五郎さんが「て、てめぇ……」と怒りを露わにする。
「それより競馬どうなった?そのイヤホンで聞いてんでしょ?」
彼らに小五郎さんは無関係だと知らせるためにやったのか。だがなおも彼らは小五郎さんを狙おうとする。そこへ──
キン、と音が聞こえた。コナン君とジョディさん、私も上を見上げる。
「まさか──」
私はパッとポケットからスコープを出し、それを覗いた。そこには、私の思っていた通りの人物が──
「赤井さん!?」
「えっ!?シュウ!?」
ジョディさんが驚いたように言った。
そうか……だから音信不通になってたんだ……。私は内心納得した。
赤井さんの狙撃でジンが負傷したらしく、組織は探偵事務所を後にした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
私が水無怜奈さんの入院する病室にいると、ノックもなしにドアが開いた。
「あ……赤井さん。ジョディさんにジェイムズさんも」
「来てたのか……」
「はい。──命に別状はないけど、意識が戻らないらしくて……」
私は3人に、医者から言付かったことを伝えた。
「回復を待つしかなさそうですね……彼女がここに入院していることは伏せてもらってますし……」
ジョディさんが言った。だがジェイムズさんが不思議そうに問う。
「しかし、アナウンサーが突然消えたら、TV局が黙っちゃおるまい……」
「大丈夫!」
ジョディさんがカーテンを開けながら言った。外にはコナン君が変声機を使ってTV局に電話している。
「あの子がうまくやってくれるらしいから……」
「またあのボウヤか……。何者なんだ?」
赤井さんは不思議そうにジョディさんに訊いた。ジョディさんは少し楽しそうに笑う。
「探偵よ……私のお気に入りのね……」