第2章 狂い始めた歯車
雅紀side(1)
?『山風雅紀さん、和也さん、潤さん、早くこちらへ来てくださいよ。』
静まり返った講堂を、不気味な声が引き裂く。
正直、今自分のみに何が起きているのか理解しきれていない。なぜ自分達が呼ばれているのか、なぜ彼らが銃を持っているのか________
でも、一つだけわかることがある。それは翔ちゃんとの‴約束‴を守ること。
翔ちゃんとした約束。それはね……
『カズと潤を守ること』
俺より一個下の双子・カズと潤だけど、2人は俺よりもしっかりしているし頭もいい。だから、今まで翔ちゃんや智兄みたいに兄貴らしいことをしたことがほとんどなかった。
ちょっとは二人に兄貴らしいことをしたい、そう思った俺は翔ちゃんに相談をした。
そん時翔ちゃんは俺にこう言った。
(`・З・´)『雅紀は思わなくても、あのふたりは雅紀にすげー感謝してんだぜ?雅紀のおかげで友達ができたぁとか、あん時雅紀のおかげで助かったんだよぉとか。知らなかった?でも雅紀自身が、あのふたりに兄貴らしいことしてないって思うのなら、これだけは守ってごらん?』
そう言って約束したのが、さっきの約束だった。
翔ちゃん、俺やるよ。このふたりの‴兄貴‴として、絶対二人を守ってみせるから。だから___________
( ’ ◇’)「……人質、俺ひとりで十分じゃない?」
ふたりを巻き込む必要なんて、どこにもないんだから。