第1章 振り払う手
「はぁ…わかった。今日はあなたに付き合う。」
「……」
なんでこんなことになった。
なんで私はこんな方向音痴につきあわなきゃいけないんだ。
「チッあの痴漢野郎」
「なんだー?」
「別に。」
「なあ、どっか行きたいとことかないの?」
「あなたが何も見ずにスタポまで辿り着けるか見届けてみたい。」
「なんじゃそら。」
「それが無理なら学校に行かせて」
「断固拒否する!!!!」
「いや、拒否したいのこっちだから」
「わーったよ、スタポでいいんだろ?
あんなとこのどこがいいんだよ。
無駄にキラキラしてるし、謎に声でかいし
でてくるのだって甘いし、
クリーム少なくっていうとキャラメルソースが
多くなってなんかお得感増すから
おこれねーし……」
「あんた、相当好きなのね。」
「あ?」
「なんでもない。」
こんなに会話するの久しぶりかも。
私は学校では1人だ。
友達もいない。
いない……いや、まぁいるか。
変態が。
でも、何をするにもひとり。
「ひとり」しか知らないから。
だから、こいつは本当に変だ。
あからさまに暗い私と会話してる。
こいつなら「社会」でも生きていけそうだ。
「おーい。」
「……っ」
「大丈夫か?」
「いきなり近づくな!」
「なんだよ、……あっ」
「……」
「あー、みなまでいうな。」
「いや、言ってねえーよ。」
「俺がかっこよすぎて見とれたか?」
「いや、みとれてないし、ドヤ顔すんな。」
「わかってるよ…俺は…」
「みなまでいうな!!そして、はだけさせんな!!!!……って、え?」
「なんだ?そんなにおれがかっこいいか?」
「そのネックレス…」
夢に出てきたネックレスに似てる。
毎週月曜日に更新されるその形。
でも、何かが違う。
さくらじゃなくて、
「鈴蘭」
「えっ」
「そんな珍しいか?このネックレス」
「あ、いや……」
「なんでか知らねぇけどさくらのやつと約束したんだよ。」
「さくら?」
「おれは鈴蘭、あいつはさくら。そんで
▲▲▲▲▲▲って。」
頭が混乱した。
大事な部分が、雑音で消えた。
でも、直感でわかる。
こいつといちゃダメだ。