第10章 願の先に
人がいないと何だかお化けでも出てきそうですね…
エースは誰もいないとこ炉までやってっ来るとそっと私は床に降ろしてくれました。
「みゃ?」
いきなりこんなところに連れてこられたのはいいのですけれども、エースは何も話してくれません。
どうにもすることができないので、エースが自発的に話してくれるのを待つことにします。
おそらく待つこと十分程たってようやくエースはなにかを決めたようにいきなりしゃがみこんで私と同じ目線の高さになってくれました。
「アリス、そのままでいいから聞いてくれ」
真剣な表情に思わず息をのんでしまします。
「俺はアリスが好きだ。絶対にもう離したくない」
エースはそういうと子猫の姿の私を思いっきり抱きしめました。
…えっと、私は今エースから告白をされたんですよね?
頭の中がパニックになっていて正常な判断ができません。
と言うか、私猫の姿なんですけれどもエースは子猫の姿の私が好きと言うことなんでしょうか?
うーん、それはそれで複雑なのですが…
「みゃっみゃっ!」
とりあえず離してほしいのですが、エースはむぎゅ~っと私を抱きしめてきました。
く、苦しいです。
こうなっては仕方ありません。
ポン!
私は思い切ってエースの腕の中で人間の姿に戻りました。
突然人間の姿に戻ったのでエースはびっくり。
けど私を抱きしめている腕を緩めようとはしません。
「えっと、アリスさん…?」
私を抱きしめているということに自覚をもったのかエースの顔はだんだんと真っ赤になっていきました。
「うわぁぁ!ごめん!!」
パッとエースは私を離すと背中を向けてしまいました。
なんとなく寂しいです。
「エースのバカ」
「なっ…///!」
さっきまで近くにいたのに急に遠く感じてしまい、私は悪態をつきながらもエースの背中に抱き着いてみました。