第8章 末っ子の秘密
海軍の船に乗って早四日。
そろそろマリージョアにつく頃になってきました。
この四日間で変化がありました。それはアベルさんが本当の兄だということが無事に証明されたことでした。
証明してくださったのはセンゴクさん。
一応家系図のようなものがあるらしく私たちの家系図を特別に見せてもらうことができたのです。
そこには私とアベルさんの名前がありました。
本当の家族だと分かって正直戸惑いましたが今は何とか慣れました。
それともう一つ嬉しい情報は白ひげ海賊団の皆の無事が分かったことでした。
これも秘密裏にアベルさんが教えてくれました。
しかも、今こちらに向かってきてくれていることも分かりました。
こんなにうれしいことはないのですが同時に不安の気持ちが生まれました。
私は天竜人という存在。
ましてやそれが分かるまではただの子猫になる小娘。
正直に言えばこんな私が白ひげ海賊団に戻っても迷惑にしかないのかなどマイナスのことを考えるようになりました。
もちろん、迎えに来てくれようとしてるのはとてもうれしいんです。
でも、本当にそれでいいのか。
私のせいで今回皆さんは怪我を負ってしまいました。
これから先もしおなじようなことがあったとき、果たして皆さんは、エースは私のことを家族と言ってくれるのでしょうか。
私の心の中にはみんなの下に戻りたいという気持ちともう迷惑はかけられないという気持ちがせめぎあっています。
「失礼いたします!」
窓から外を見ているとひとりの海兵さんが部屋に入ってきました。
この部屋はアベルさんかセンゴクさんぐらいしか入ってこなかったのでびっくりしています。
「聖地マリージョアに到着いたしました。アベル中将がいらっしゃるまで今しばらくお待ちください」
そういうとさっさと出て行ってしまいました。
…聖地マリージョア。
ついについてしまったのですね。
「エース…」
今無性にあなたに会いたいです。
私はエースからもらったムーンストーンのネックレスを握りしめた。
この先に待っている不安が少しでも軽くなるように…