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末っ子の妹ができました。

第6章 赤い人




「サッチさんどうしちゃったんでしょう?」



せっかく来て下さったのに…



「さぁな。ほら、アリス早く食べないと冷めちまうぞ」



そういうと、エースは私から卵がゆを取り上げてしまいました。


私のおかゆ…



「えっと、エース?それ、私の…」


「ほらよ」



エースはおかゆを救ったスプーンを私の口元に寄せてきました。


これは、いわゆるあーん状態…



「あの…別に一人で食べられるよ?体調もだいぶ良くなってるし…」


「ん」



ズズイッとエースはスプーンを更に近づけてきました。


これは食べるまで続きそうですね。


猫の姿なら何回か食べさせてもらっていますが、やっぱり人間の姿のままだとまた別の話。


ううっ、エースがじっとこちらをみてて恥ずかしいです。



「うっ、あーん」



そのまま少し冷えた卵がゆが口の中に入ってきました。


猫舌の私にはちょうどいい温度になっています。



「ん、おいしいです」



やっぱりサッチさんのご飯は何を食べてもおいしいですね。



「そっか、それはよかったな!もっと食えよ!」



そういってスプーンを持った手は相変わらず私の前にやってきました。


あーんを止めてくれるわけではないんですね…。


結局、卵がゆがなくなるまでエースのあーんで完食いたしました。


ええ、もちろん恥ずかしかったですよ?


それでも、エースが私に何かしてくれたのはちょっぴり嬉しかったです。


その夜には体調もだいぶ良くなってみんなと一緒にご飯を食べることができました。


でも、もうお酒はこりごりです。


その晩お酒を勧められましたが、もちろん断りましたよ。










私の二日酔い事件から早3日が経ちました。


春島の気候に入ってからそこそこの日数が経って、航海士さんが言うには今日には新しい島に着くみたいです。


今回はエースと一緒に回ることになっているのでとても楽しみです。



「おーい!島が見えたぞ~」



遠くから期待していた声が聞こえてきた。


早速私は甲板の方へ向かった。

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