第4章 隊決め
「エース、ちょっと待ててくださいね!」
私は人間の姿に戻ると急いで厨房に足を運んだ。
このままではエースが餓死しちゃうかもしれません!!
「あ…あのっ!サッチさん」
「んあ?どうした?アリス」
滅多に見せない人間の姿で少し驚いたみたいです。
私は事情を説明して、サッチさんに厨房を借りる許可をいただきました。
「…こ、こんな感じでしょうか?」
試行錯誤を繰り返して何とか出来上がったいびつな形のおにぎり。
これをエースのところへ持っていくことにします。
私はサッチさんにお礼を言いエースの部屋に戻ると、まだ書類と格闘しているエースの目の前に今作ったばかりのおにぎりを置いた。
「よかったら、どうぞ」
「おー!うまそうだな」
エースは書類をペッと捨てるとおにぎりを次々口に運んでいきました。
…うーん、もっと作っておいたほうがよかったでしょうか?
たくさん作ったはずのおにぎりは5分と経たず跡形もなくなくなってしまいました。
「いやー、うまかった!ありがとな、アリス!」
ドキッ
エースに笑顔を向けられた瞬間胸が少し苦しきなったのは気のせいでしょうか?
その後、再び書類と向き合い始めたエースを見て、私は子猫の姿に戻りずっとエースのそばにいました。
「よっしゃー!終わったー!」
エースのその声にビックっと体を震わせました。
どうやらいつの間にか寝てしまっていたようです。
「やったぞアリス!あの量の書類が全部終わった!」
「にゃーん!」
やりましたね!
私たちはマルコさんに書類を渡しに行きエースはもうためるなよと注意されましたがマルコさんの顔は穏やかでした。
そのあとすぐに夕飯の時間だったので3人そろって食堂へ向かったのでした。
因みに、その日の晩御飯は予告通りエースの釣った巨大魚をサッチさんがおいしく料理してくれて、みんなでおいしくいただきました。