第2章 はじめまして
「ところでアリスはなんの能力者なんだ?」
「わ、私はネコネコの実を食べた猫人間。モデルは子猫です」
この会話が聞こえたのか、私とサッチさんの周りには人が集まってきました。
「へぇ、じゃあ君は子猫なんだ」
「え、えっとあなたは…」
「僕はハルタよろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
それから周りに集まった隊長さん達が次々と自己紹介をしてくれました。
家族なんだから敬語はやめろと言われたのですが、もうこれは癖みたいなものだからと言えば皆さん納得してくれました。
それから私は基本は子猫として生活することを話した。
「?なんで子猫の姿で暮らすんだよい」
率直な疑問をぶつけられました。
「え、えっと。私の場合人生の半分以上を子猫の姿で過ごしてきてしまったので人間の方には慣れしていないんです」
簡単に言えば人間になった方が能力を使っているような気持ちになるのだ。
「ま、過ごしやすいように過ごせばいいさ」
やっぱり皆さん優しい人です。
こんな変な事情をあっさりと受け入れてくれました。
こんなんじゃ、よっぽど陸にいる方の方が冷たいですよ。
「ん?待てよ、じゃあ子猫の時は何を食べるんだ?」
「えっと…子猫の時は基本果物とかですかね?後は茹でた柔らかい野菜は大丈夫です」
きっと本物の子猫ならダメなんでしょうけれど…
そこは人間。
やっぱり普通の子猫よりは幾分胃も丈夫なのです。
その後の皆さんは飲めや歌えや騒ぎ。
あっという間に時間は過ぎていってしまって今では先ほどの騒ぎは嘘のように静かになってしまいました。
騒ぎ疲れて眠ってしまった皆さんに軽く毛布をかけて私も子猫の姿になり床で丸くなり寝る体制に入りました。
これからこの船でやっていけるか不安ですが精一杯頑張ろうと思います。