第16章 告白成功率
「…つまり、」
「俺の船に乗らないか。」
…もちろん、俺は茉都莉が好きだ。
そんな事を言って、手を放したホーキンスから逃れるように、店の奥に引っ込んだ。
大きめの傘を探しながら、考えをまとめていく。
…つまり、
カフェが気になっていたけど、恋愛運がすこぶる悪く、
今日の恋愛運、告白成功率が99.8%だからこのカフェに来て、
ラッキーパーソンは、赤いバンダナをした女…私で、
雨が降っているから、傘を借りるついでに、
私の事が好きだから告白して、船に…?
見つけた大きめの黒い傘を持って、ホーキンスの前に行く。
コーヒーは、飲み干されていた。
「ホーキンスさん」
「ホーキンスでいい」
「ホーキンス、私は、カフェをやっているので、そこそこ料理の腕はあるつもりです」
「…。」
今度は私が喋る。
「でも、占いなんて、よくわからないし、海賊の生活も、よくわからないです」
「…ふむ。」
思案顔のホーキンス。
「…船まで一緒に行く前に、私の告白成功率を占ってもらえませんか。」
私がそう言えば、ホーキンスは無表情ながらも、自信ありげに、こう答えた。
「告白成功率…100%」
雨の中を、一つの傘に2人で入って、船に向かった。
告白成功率99.8%と
告白成功率100%
(船に乗った瞬間、クルー達が、ホーキンスに、船長おめでとうございます!!といってくるのを、微笑ましく見ていた。)
*end*