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*夢ノ館*-ONEPIECE-

第13章 紫煙の策略



くしゃみがやっと止まって、顔をあげてイゾウさんの姿を確認しようとすれば、何故か目の前にイゾウさんが。


「よぉ。」

「…へ?」

「寒いなら、これ着てな。」

驚いている間に、イゾウさんが、私にイゾウさんの着物をかけてくれた。


バレてしまった…

混乱して、イゾウさんを見つめながら、問いかける。


「あの、えっと、いつ…気付いたんですか?」

「お前が、初めて夜の甲板にいる俺に気付いた時からだよ」


私は、てっきりくしゃみが原因かと思った。

まさか、初めてイゾウさんを夜の甲板で見つけた時からだなんて…


顔に一気に熱が上がる。どうしよう、初めっからバレていたなんて、恥ずかしすぎる。


「その、ごめんなさい。」


あやまって、逃げようとしたら、イゾウさんに腕をつかまれてしまった。

「…聞きな、俺はお前が好きだ。」

突然の告白に、思わず固まってしまう。

「お前が、前に

『イゾウさんと夜と紫煙って、凄く似合いそう』

なんて言うから、期待したんだよ。」

次いで、私を引き寄せて耳元で囁くイゾウさんの声と、イゾウさんとの距離に、くらくらしそうだ。

「…じゃあ、」

「最初から、計算済みだ」


そう言って笑ったイゾウさんの妖艶さに息を呑む。

同時に、イゾウさんの言葉に脱力してしまった。


…思えば、イゾウさんが、私程度の気配に気付かない訳がない。


赤い顔を見られたくなくて、下を向けば、イゾウさんの手によって上を向かされる。

「返事は?」

「好き、です」

「上出来だ。」









紫煙の策略。




(逃がすわけ、ないだろ)


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