第1章 *青色恋愛注意報!*
だけど医務室には行かず、廊下をぶらぶらしていた時、マルコとぶつかってしまったのだ。
「悪ぃよい。…っと、茉都莉、血がでてるじゃねぇか」
「あぁ、いえ、大丈夫ですよ」
そう言って、去ろうとしたのに
「ちょっと見せてみろよぃ」
そう言ったマルコが私の指を自分の口に含んだ。
屈んで、上目遣い。 ものすごく色っぽいその姿から、ふと目をそらした時。
「茉都莉、何やってんだぁ?」
1人のクルーが私とマルコを見て、声をかけてきた。
「ちょっと指を切ったらしくてねぃ」
「なんだ、茉都莉みたいなバカ女、脳天気なんだから、ほっとけよ」
そう答えたマルコに、笑ってそう言ったクルーの言葉。
戦闘のかすり傷の時でも、よく言われるし、ほっとかれるものだ。
でも、この状況は初めてで、そのクルーの言葉が何故か寂しかった。