第2章 転生
なんだろう。騒がしいな。赤子の泣き声が聞こえる。
と思って目を開けると、一人の男性と一人の女性が、私の顔を注視していた。
なんだか恥ずかしくて、目を逸らそうとしたけれど、上手くいかなかった。
男性は私を抱き上げ、
「ありがとう、お疲れ様。」
と言って女性に笑いかけ、女性も
「ええ、あなた。」
と何やら嬉しそうにしていた。
……?
状況が理解できない。
私は死んだ筈だ。どういうことだろう。するとさっきの二人が、
「この子の名前、考えてみたんだけど、言ってもいい?」
「言ってみてくれ。」
「ルナっていうの。」
「へえ、ルナか。いいじゃないか。僕も賛成。」
なんて会話がされていて、
「こんにちは、ルナちゃん。これからよろしくね。」
なんて言われて、やっと、状況を理解した。