第1章 moon
「うわぁっ!!!」
『うわぁーーーー!!』
「ごめんなさい。めっちゃスマホ見てて・・・」
『いえ。あたしも立ち止ってたんで・・・』
「あれ?泣いてる?」
『いや・・・』
「どっかケガさしてもたかなぁ?」
『大丈夫です』
「もし後日でも病院行ったら連絡して。病院代払うから・・・」
『い、いえ!!そんな!!ほんま大丈夫です!!』
「あ、僕。安田章大って言います。これ名刺。電話番号も書いてるから・・・」
『は、はい・・・あ。同じ会社・・・』
安田「え?」
『あたし3階の経理課で居てます。』
安田「そうなぁーん!?僕、5階の総務課」
『そうだったんですね。あ!!思い出した!!この前社内電話かけた時に、モスモスって言った人ですよね?』
安田「あぁーーーーー!!言うたかもー!!うわぁーめっちゃ恥ずかしいなぁー」
『その時は、色々ありがとうございました。わからんこと多すぎてめっちゃ助かりました』
安田「良かったー。あ、ほんまごめんなさい。」
『いえ。ほんま大丈夫です。』
安田「てか、泣いてたんちゃうん?」
『あー・・・いえ・・・』
安田「良かったら話聞こうか?」
『ありがとうございます。でも、ほんま大丈夫です。』
安田「そっか。あ、家こっち?」
『すぐ近くなんです。』
安田「じゃー気を付けて。また会社で」
『はい。さようなら』
安田さんと別れた
会社の人と偶然会うとかスゴイな・・・
ま、家の近くの会社選んだからかな?
安田さんに会って、忠義のことは
ちょっと忘れかけてた
だって、もう終わりなんやと思う
忠義・・・
めっちゃ好きやのに
伝わらんて
辛いな・・・