第3章 愛して 〜藤堂平助〜
「おーい!!!」
巡察から帰ってきた原田さんが私に声をかけてきた
「原田さん!お疲れさまです」
原田さんは笑って私の頭をワシャワシャと撫でた
「原田さん!髪が…!」
「あっははは、悪い悪い。ついなでたくなっちまってよ!」
私は、原田さんとしばらく立ち止まりながら他愛もない話で盛り上がっていた
「……」
後ろからの突然の低い声に私は身震いした
後ろを振り向くとそれは、平助くんだった
「へ、平助くん……どうしたの……?」
彼の様子は違い
怒りに満ちているようにも見え
嫉妬しているようにも見えた
原田さんは気を使って私たちを2人っきりにしてくれた