第2章 私だけを見て 〜斎藤一編〜
屯所に戻ると皆が慌ただしく動いている
雪村は泣いていて、そんな雪村を平助がなだめている
だいたい想像はつくが、俺は知らないふりをした
「どうした?何事だ」
近くにいた総司に理由を聞いた
「実は、が居なくなっていて…」
やっぱりだ。だから必死に探しているのか
でも、見つからない。だって俺が閉じ込めてしまったから
「斎藤!!」
副長が俺に駆け寄ってきた
「なんですか副長」
「斎藤、お前も手伝ってくれねぇか!お前なら見つけ出してくれる気がするんだ」
副長は俺のことを信頼してくれてる。
だけど、俺は今副長の信頼を裏切っている
でも、罪悪感は無い。前の俺なら罪悪感に襲われていただろう
でも、今の俺は手遅れだ。
こんなにもに溺れていってしまったから
「承知しました」
俺は、副長に初めて嘘をついた