第5章 有終の美を貴女に 5
────暫くすると、注文したものが運ばれる。
思っていたよりも美味しそうなそれを見て、つい唾を飲んだ。
彼女はと言うと...
「あら、とっても可愛い!」
写真を撮っていた。
良くある、食べるものの写真をSNSなどに上げるのだろう。私なら絶対にしないが。
「さて、じゃあ...いただきます。」
「...いただき、ます。」
一口サイズに切り分け、口に入れる。
すると、ふわふわとしたスポンジの甘みと、上に乗った蜂蜜の甘みが脳に染み渡った。
つい笑みがこぼれてしまう。
「...ふふ、とっても幸せそう。」
不覚だった。
彼女の方を見ると、こちらを見てにやにやとしている。
「...見ないで、くれませんか。」
「やーだ。」
そう言ってはじーっとこちらを見てくる。正直言って食べづらい。