第4章 有終の美を貴女に 4
――――――時は数年前に遡る。
私はその時中学に入ったばかりだった。
部活動に入り、ある先輩に会ったのだ。
それが《彼女》である。
彼女は、私に優しくしてくれた。
病気のことなど知らず、明るく、快活に、笑顔で接してくれた。
だから私は彼女に、恋をしたのだろう。
――しかし、数日後に私は身を引くこととなった。
そう。彼女には彼氏がいた。私なんかじゃ到底届くことのない、その横に立つことの出来る人がいた。
自分の予想に反して、諦めは簡単についた。
所詮その程度のものなのだろう。割り切るのは簡単だった。
しかし、彼女の事を目で追うことはやめることが出来なかった。
「...先輩。」
「どうしたの?」
「...なんでも、ないです。」
そんな他愛もない、只の先輩後輩としてのもどかしさを抱えたまま時は過ぎた。