第29章 ウィンターカップ〜桐皇VS誠凛〜前編
この技にはいくつかのリスクがある
60対70
第3Q残り1分20秒
1つは時間
試合終盤でしか使えない上に黒子自身に視線を誘導するのはそう長くはない
黒子一人で火神4人分を果たそうとしているからだ
そしてもう一つ
誠凛は未来を一つ捨てた
今の黒子はネタばらしをしながら手品をやっているようなもの
すなわち、この試合が終わらば桐皇相手にミスディレクションはもう2度と使えない
桐皇と誠凛は同じ東京地区
この先何回も当たることがある
だが、火神や他の選手がいくら成長したとしても切り札がない状態で勝てるほど桐皇は甘くない
つまり、誠凛はこの大爆竹を仕掛けるために、この先桐皇に勝つための可能性を捨てたと言うことになる